藍空ブログ

備忘録として。日々のことを綴っています。自己満足なのであしからず

「映画の神様がいる…!?」その6 原田マハ 「キネマの神様」

こんばんは

お久しぶりです!

 

最近は仕事が忙しくてもう土日じゃないとブログが書けないです。。

(毎日更新されてる方って本当に凄いなぁ)

 

という事で久々に本のレビューを書きます。

今回は原田マハさんの「キネマの神様」について書きます。

 

原田マハさんは初めてと思って調べたら「さいはての彼女」の著者なんですね!

その他「たゆたえども沈まず」「カフーを待ちわびて」など、めちゃくちゃ有名な作家さんです。

 

簡単にあらすじを

主人公は大手ディベロッパー勤務の円山歩とその父であり映画とギャンブル漬けの日々を送っている郷直。

 

病気で手術を受けてから、ギャンブル禁止令を受ける郷直、そして不運にもその手術の日に会社を退職した歩。

大好きな娯楽を失った父親と職を失った娘。

そんな絶望から2人を救ったのはお互いの趣味である映画だった。

 

映画評論家として小さな映画誌の会社に転職した歩、しかし零細企業での執筆の仕事も順調には行かず倒産の危機…

 

そんな歩を救ったのは、暇つぶしにネットカフェでとあるブログに書き込まれた文書だった。

しかもそれを書いたのは他でもない、歩の父だったのである。。。

 

父親の書き込み(映画の評論)が歩、

そして会社の運命を大きく変えていく

 

といった感じです。

 

感想

映画がもっと好きになります!!

ギャンブル依存症な郷直は、ダメな親父だけど、娘への愛に満ちいている所が要所に感じられます。

 

そしてこの小説のタイトルになっている「キネマの神様」

郷直が幼少期、劇場のどこかに神様が一緒に映画を見ていると言っていたのがきっかけですが、郷直の「この神様は捧げられた映画を喜ぶというよりも、映画を観て人間が喜ぶのをなにより楽しんでおられる。村の鎮守の神様と一緒です」といった表現が自分は好きです。

 

映画が好きな人の所にひょんと現れ、「この映画良いよね」と一緒に楽しく鑑賞する、友達のような存在なのではないでしょうか。

 

小説がこのキネマの神様が色々な出会いをもたらしてくれます。

 

あとは歩が映画「ニュー・シネマ・パラダイス」に対して感想を書く言葉も好きです。

 

イタリアの離島の小さな映画館を舞台にした、映画技師と少年の友情物語。映画のシーンでは観客の様子が映し出される。

劇場を埋め尽くした村の人々が、笑ったり、泣いたり、怒ったり、恋をしたり。「映画」という世界を共有する濃厚な時間、観客の間には不思議な連帯感が生まれるのが分かる。

映画館とはそういう場所なのではないか。

同じ時間と体験を共有する、わっと盛り上がってやがて静まるお祭りのような場所。

私たちは最近、自宅で好きなときにいつでも観られるDVDの手軽さに慣れてしまって、どうやらお祭りの感覚を忘れてしまっているようである。(本文より引用)

 

気になって、ニュー・シネマ・パラダイスを借りて観てみたのですが、これ本当に歩の言う通りなんですよね!

 

ぎゅうぎゅう詰めの映画館でみんなで笑ったり、泣いたり、そこから恋が生まれたり、

ただ映画を観る場所ではなく、街の憩いの場として存在していたのがよくわかります。

 

(というか普通に良い映画です。特に幼少期のシーンと最後が感動です。見終わったら映画がもっと好きになること間違いなしです!)

 

DVDの普及やシネコンの台頭で名画座がなくなっているのは仕方のない事なのかもしれません。

でも、ニュー・シネマ・パラダイス名画座のように、歩が言うようにみんなで映画を楽しむといった不思議な経験ってより一層映画を楽しめるのではないでしょうか。

 

(こないだ公開初日に満席のアベンジャーズを見たのは少しそれに似ていたかもしれません)

 

といつもまとまりがありませんが、映画が好きな方はこの小説を読んだらもっと好きなると思います!

映画に興味がない方も、映画を見たくなるはず

!!

 

キネマの神様 (文春文庫)

キネマの神様 (文春文庫)